2008-01-01から1年間の記事一覧

自分のブログを読む男

去りゆく二千八年を回顧するために、自分のブログを読み返していたが、以下の記事 http://d.hatena.ne.jp/ni2/20080416 これは、川内康範先生・森進一間の「おふくろさん」騒動をもとにしたものです。 (と、書いておかないと何を書いていたのか自分でもわか…

冬のコント

「父さん」 遺影を抱えてたたずむ男。 「あれが父さんが見たがっていた、会津磐梯山だよ」 そびえる山。 「父さん」 背広の胸元から何かを取り出す男。 「これがサンバイザーだよ」 サンバイザーをかぶる男。 「父さん」 頬をつたう涙。 「会津サンバイザー…

過去のようなものにすがりつく人々の前で

本屋に行ったら「寂聴」というタイトルの雑誌が平積みにされていた。表紙は、微笑みながら佇む、瀬戸内寂聴の姿。嘘のようだが本当の話だ。 その横で「サライ」という雑誌が落語の特集をしていて、表紙には古今亭志ん生の高座姿が掲載されている。 瀬戸内寂…

寒い朝

あんまり面白いこともない。 夢に○○が出てきた。○○は十代の頃、学習塾や部活で、よく一緒に話をしたりしていた同学年の男だったが、大学を出て就職した年に急死した。 夢のなかでは、私も○○もまだ学生(高校生か?)であり、自転車で帰宅中であるが、いかに…

暮れ行く二千八年とサラダ油

気のゆるみがちな夕暮れ時。 つい「暮れェ〜の、元気な、ごあいさつ〜」と大声を張り上げてしまい、隣室の妻を「ギャー」と叫ばせしめる。 その後、寒気に満ちた廊下を歩きトイレに入り、小用をたしていると、ふと、先ほど口ずさんだフレーズが「呉智英のご…

大きな古畳(ふるだたみ)

1大きな四角い古畳(ふるだたみ) おじいさんの畳 百年 いつも 敷かれていた ご自慢の畳さ おじいさんの生まれた朝に 敷かれてた畳さ いまは もう 動かない その畳百年 休まずに 敷かれ 踏まれ おじいさんも いっしょに 踏まれ 踏まれ いまは もう 動かない…

一首、浮かんだので、書き記すものなり。世の中の 蚊帳の外には、することも 話すこともなく 虫の音を聞く

世界地図を見ながら

土曜日は家族総出で下の娘の幼稚園の運動会に行った。 上の娘が卒園生レースに出場し、参加賞として「世界地図」をもらってきた。 ビニールシートの上に寝転がって、世界地図を眺めていると、 「伊能忠敬はロシアに生まれなくてよかったなあ」 という世にも…

なぜ人を殺してはいけないのか

「なぜ人を殺してはいけないのか」と若者が大人に問いかけて、問いかけられた方は眉をひそめずにはいられない、という事態が、あちこちで頻発している・・・というような言説をひところよく目にしたような気がするが、最近、見なくなった。 ブームが過ぎ去って…

宮崎あおいの可愛らしさ

先日、テレビをつけたら、篤姫をやっていた。 険しい表情を浮かべ厳しい言葉を早口でしゃべる宮崎あおいは、アメリカアニメの黄色いひよこみたいだ。 (注)「アメリカアニメの黄色いひよこ」は、ウッドペッカーだったかと思っていましたが、画像検索してみた…

ポニョポニョ

ポニョは面白かったうえに、劇場で観てから一ヶ月くらい経つが、いまだにポニョについて飽きずに考えている。 宮崎監督作品はラピュタぐらいから劇場で観ている(三鷹の森でしか観れないやつは観てない)。情報はなるべく入れないようにして観て、あっと驚い…

海の輪郭線 〜『崖の上のポニョ』

土曜日に『崖の上のポニョ』を観た。 『ポニョ』すごい。 宇野常寛先生の口真似で「母性のディストピア」というのも(ゼロ年代の想像力は早川書房から7月24日に発売)『ポニョ』のあふれる(輪郭線のある)水の前では空しいだけだ。 人間が社会を運営し、社…

替え歌

加山雄三『海 その愛』の替え歌を思いつく。 フ〜ミオ、高田文夫 大きな そのeyeよ〜 『海 その愛』(作詞:岩谷 時子 作曲:弾厚作 編曲:森岡賢一郎)

土日と虫

七月十二日の土曜日は子供と虫取り。中学校の裏には虫が居ないので、駅前の公園まで遠征。途中、黄色いアゲハを捕まえそこね、公園についてから、大きいトンボ(オニヤンマ? 黄色い筋あり)が木の枝に止まっているところをキャッチ&リリース。 樹の上の方…

日本橋のジョニー(二代目)

さまよえる勤務者として、最近の私は、日本橋に勤務している。 勤務先で、昼飯時(一人で)弁当を買いに行くと、橋の上(かつ高速道路の下)に、男が居る。彼は、台車に何かいろいろなものを搭載して上からビニールシートをかぶせ紐でぐるぐる縛り上げたオブ…

見知らぬ人の会話が

見知らぬ人の会話が断片だけ耳に入るって、ありますわね、通行中とかにはわりと。 勤務地にて、歯を磨こうとトイレに行ったら先客で一杯だったので、上の階へ階段をのぼっていって廊下に出たら、つきあたりの窓のところに四十代くらいのもたいまさこ風の女性…

心を入れ替えるシリーズについて

心を入れ替えるシリーズ (7月4日、7月6日、7月7日) は、2008年7月3日の夜、風呂で湯船につかりながら思いついた。「心を入れ替えるという文句をもじってみたらどうだろう」ということを考えていたら、こういうものが浮かんだのである。 別に、心を入れ替え…

心を入れ替えるつもりの

学校の教室のような部屋に、机と椅子が一組あって、男が座っている。 「これからは・・・」 涙ぐむ男。 「心を入れ替えて」 「タラチネ」 と一人が言うと男の周りを取り囲んだ他の外人達も一斉に 「タラチネヲ入レ替エル」 「これからは、心を入れ替えてっ」 「…

心を入れ替えるつもりで

刑務所の扉が開き、刑期を終えた男が、看守に付き添われて現れる。 看守、男に向かって 「吉田さん、これからは」 年老いた看守は、男の肩に手を置いて、言葉を継ぐ。 「山田を入れ替えたつもりで、頑張って下さい」 男は、一瞬、困ったような顔をしてすぐに…

心を入れ替えるつもりが

実生活において「心を入れ替える」という文句を使ったことが果たしてあっただろうか。省みるにあまりそういう芝居がかったセリフを口にする人生ではなかったような気がする。 人生はともかくとして、「心を入れ替える」という言い回しには、やはり空々しい響…

車窓から垣間見る

朝、電車に揺られながら、会社に行く。 このような人生の時が営業日毎に訪れようとは、『かりあげ君』や『人間交差点』を立ち読みしていた小学生の頃には、想像もつかなかったことである。 さて、そんな通勤電車の窓の向こうに、様々なものが、一瞬、ちらり…

裸体映像資料館

裸といえばエロである。しかし、忘れてはいけないのは、裸は滑稽でもある、という一事だ。 「全裸で踊る」と声に出して呟いてみれば、裸がいかに滑稽なものであったかを、私たちは思い出さざるを得ない。 もしも、裸体に関する膨大な映像・芸術・資料を蒐集…

『ミスト』のラストで和む方法

『ミスト』のラストで和む方法を思いつく。 仮想的にミセスな自我になって「やっぱり、男の人って、奥さんがいないと、ダメなのよね〜」と呟く。 以上。

「面白い」とも「面白くない」とも言いたくない時

世界のナベアツと言おうとしてつい、「世界のナベツネ」と言ってしまうことが多い。 それはさておき、氏における<面白いときに「OMORO!」面白くないときに「OMONA!」と言う>ということについて、昨日六月二十一日の朝、何となく考えていて、以…

『ミスト』はなあ・・・

『ミスト』を観ましたが、私にとっては、残念な結果に終わってしまいました。 つまり「つまらなかった」という・・・ 途中「おっ!怪獣映画か!」と興奮したのに。 このちょっとリアル風な「異常時における人々のうごめき」描写で、しかも「怪獣映画」というの…

悔しがる刑事たちの幻

あともう二十分程で六月だ。 くだらないことを考える。 もし、人間の鼻糞に関してだけ、科学的究明が決定的に立ち遅れている世界があったとしたら、そして、そんな世界で、凄惨な犯行現場に犯人のものと思われる大量の鼻糞が残されていたとしたら・・・刑事たち…

オタク界における世代間抗争

第何次だかわからないが、オタク界における世代間抗争(旧オタクVS新オタク)が勃発でもしているのか、二、三のブログで、そのようないざこざを最近よく見かける。 そのせいか、論語(陽貨篇)の以下の章が、老オタクが若オタクに呈した苦言のように読めてき…

今日も『昭和三十年代主義』

浅羽通明『昭和三十年代主義』について、『模倣犯』に言及した箇所は『模倣犯』を読んでから読もうと、その他のところを読んでいたら、その他のところは読み終わってしまった。 『模倣犯』を読むか、ジャンバティスタ・ヴィーコを読むか・・・ 「昭和三十年代主…

『ゼロ年代の想像力』と『昭和三十年代主義』

SFマガジンに連載されていた宇野常寛『ゼロ年代の想像力』を図書館で追っかけて読んでおりましたが、本日五月六日にめでたく最終回まで読み終わりました。近々単行本になるそうなので楽しみです。 しかし、その数日前にいがらしみきお『かむろば村へ』2巻を…

意外と語り伝えられてしまっている小事件とは

「伝説」と言うには大袈裟ですが、それなりに昔の出来事でありながら、日々の暮らしの会話のなかに引用されたり例えとして用いられたりする(元)ニュースというものがある、と思いますがどうでしょうか。 大事件(オウムサリンとかアメリカ貿易センタービル…