暮れ行く二千八年とサラダ油

 気のゆるみがちな夕暮れ時。
 つい「暮れェ〜の、元気な、ごあいさつ〜」と大声を張り上げてしまい、隣室の妻を「ギャー」と叫ばせしめる。
 その後、寒気に満ちた廊下を歩きトイレに入り、小用をたしていると、ふと、先ほど口ずさんだフレーズが「呉智英のご挨拶」に変換され、脳内に響き渡る。
 なす術もなし。