悔しがる刑事たちの幻

 あともう二十分程で六月だ。

 くだらないことを考える。

 もし、人間の鼻糞に関してだけ、科学的究明が決定的に立ち遅れている世界があったとしたら、そして、そんな世界で、凄惨な犯行現場に犯人のものと思われる大量の鼻糞が残されていたとしたら・・・刑事たちは物凄く悔しがることだろう。

 最近読んだ『模倣犯』に鑑識の活躍などが描かれていたためか、そんなことを考えた。

 今、六月になってから九分くらい。