専門誌『エネルギー・レビュー』の奇跡

 『エネルギー・レビュー』という専門誌があるのをご存じだろうか。
 私は知らなかった。
 近所の図書館で偶然に見つけ、時節("予断を許さぬ状況")柄、手に取った。
 巻頭の文章を見て、私は驚いた。
 『エネルギー・レビュー』編集部は、その2011年4月最新号において

 「当初、「原子力発電所地震安全」をテーマに特集企画し、編集作業を進めて

 いたのだそうである。そして、

 「通常通りの編集作業を行い、印刷工程に入っていた三月一一日、わが国はかつてない国内最大級の東北地方太平洋沖地震に見舞われました

 つまり、大地震の起こる前から、『エネルギー・レビュー』は「原子力発電所地震安全」をテーマに特集を企画していたのである。しかし、

 「本誌は「広く詳しく正確な情報・評論」を標語に掲げていることに鑑み、特集企画を当初の内容どおりに大地震発生直後に発行することは相応しくないと判断し、急きょ内容を差し替えて発行することにした次第です。皆様のご理解を賜れば幸いです

 とのことで、その先見性のある特集「原子力発電所地震安全」は廃案となり、そして、新たに企画された特集とは、

http://www.erc-books.com/ERC/ER/ER-Main-F.html

特 集 「風力発電は新エネの柱」

 であった。

 大地震前に印刷されようとしていた特集「原子力発電所地震安全」を、その時点のままの原稿を、読んでみたい。