横山泰三の死と松本人志

 横山泰三の死について書こうか、今日池袋で観て来た『大日本人』について書こうか、考えつつ・・・
 漫画家の横山泰三先生がお亡くなりになったそうである。そっちか・・・。2007年6月10日死去、90歳。
 最近、横山隆一(泰三の兄)の自伝を図書館で借りて(2007年6月5日)読んでいたので、これは偶然というものではないか、という驚きと、まだご存命であったのかという驚きとが大変失礼ながら、ありはした。個人的には泰三漫画の印象よりも呉智英氏の痛罵が印象に残っている。
 それはともかく・・・
 横山隆一氏は以下のように回想している。

 泰三が、やっとはって歩くころ、ある日、寝床からはい出して来たので、私はだいて寝床へ入れました。すると急に火のついたように、激しい泣き方をして、どうしても泣きやみません。それで、母を呼びました。

 これが、なぜかというと、「はだ着を縫ったとき、針が残っていたのです。」
 この針は泰三氏の体のなかに入ったまま、出てこず、売薬「たこの吸い出し」を毎日貼ったりするうちに、

 半年くらいたって、きず口の下五センチばかりの所がポッと赤くなり、そこが化膿し、やがてそこから、ぼろぼろになってさびた針の先端が出て来ました。

 そのあと、横山隆一氏は、弟・泰三氏の胸の傷をみる度に「いやな思いをします。」と心境を綴っておられる(以上、横山隆一『わが遊戯的人生』日本図書センター・1997年2月刊。※1972年刊の同名自伝(日本経済新聞社)が底本だそうです)。・・・教訓にも故人を偲ぶよすがにもあまりならないエピソードではあるが、そのような方だったらしい、ということで・・・
 合掌。

 ・・・『大日本人』は後味悪いけど面白かった。