三人のマンガ家の名言

 最近、いがらしみきお先生の以下の言葉に感銘を受けた。

「吾妻さん、漫画家なんてどうせそのうち仕事なくなるか、死んでしまうか、どっちかなんだから。」

いがらしみきおの映画ゾンビ 2006年08月10日「力道山」)
 http://www.bonobono.jp/mag/archives/2006/08/

 これは、吾妻ひでお先生に贈られたエールである。「いがらしみきお吾妻ひでおにエールを送る」ということに深い感銘を覚えないではいられない。今は2006年であり、吾妻ひでお先生(1950年生)もいがらしみきお先生(1955年生)も五十歳を越えている、ということなのだ。
 昔々、確か竹書房の単行本、さばおり劇場だったか根暗トピアだったかあんたが悪いっだったか忘れてしまったが、その本の表紙の著者近影の載ったところに、「○○を父に、○○を母に、○○を従兄弟に・・・」と、その○○に様々はギャグマンガ家の人名が入るという形式で、著者いがらしみきお先生が自作品を冗談めかして語るような文章が載っていたことがあって、そこに挙げられた「ギャグマンガ家」の一人に「吾妻ひでお」があった(そしてその頃私は中学生だか高校生だかだった)ということ以来の、彼方から彼方への、エール、ではなかったか。

今日から俺は無職!!毎日がサンデーだぜ!!」

杉本ペロ


 これは、杉本ペロ先生が、連載『俺様は?(なぞ)』を終えるにあたって、その作品が掲載されていた少年週刊誌巻末の執筆者コメントページに寄せた言葉であり、私はそれを立ち読みしただけだが、今日まで何となく忘れられないでいる(とはいえ一字一句覚えているわけではなく、上記の言葉は、ネット検索して拾ってきたもので、不正確である可能性あり)。いわずもがなであるがその少年週刊誌は「サンデー」である。

 次に紹介する言葉は、調べがつかなかったので、記憶による再現であるが、今は亡き「少年キャプテン」の巻末に水木しげる先生が寄せたものである。(当時少年キャプテンには水木先生の『河童の三平』が再録だったか新たに書き下ろしだったかとにかく載っていた)
 少年キャプテンの巻末著者コメントページは、編集部が用意した質問に作家諸子が答えるという趣向になっていて、他の先生方銘々は比較的長文で自身の趣味や性癖を語られることが多かった中にあって、水木しげる翁の回答は毎回実にシンプルであり、そのことでかえって異彩を放っていた。その回の質問は「あなたの癖は?」というもの。それに対する水木しげる先生の答えが以下であった。

「鼻をほじること(かゆいから)」

水木しげる