夏とアニメ

とりあえず、『ゲド戦記』は観ないことに決定。

といって『時をかける少女』を観るわけでもなく、やぶにらみの暴君改め『王と鳥』を観て来た。

 『王と鳥』(監督:ポール・グリモー、1979年)
 2006年7月29日よりシネマ・アンジェリカで公開(日本劇場初公開)
 http://www.ghibli.jp/outotori/

台風が来ていて、しかも平日の水曜日(8月9日)なので、随分早く渋谷に着いていたにも係らず、油断して開始時刻ギリギリに受付に行ったら「この回はチケット完売です」
仕方なく次回(19:40)分のチケットを買い、渋谷をうろつく羽目に。
ジブリ提供」の威力か? 水曜サービスデーで1000円だから?

でも満員の観客席で皆クスリとも笑わずに観ていた。

■床に残されたかつらを蹴りながら画面の奥へ遠ざかっていく王と、その足元をふんかふんか臭いを嗅ぎながら着いていく犬、という無駄なようなところが面白い。
■羊飼いの女の足が綺麗で色っぽい。
■ものすごい急な階段をものすごい速さで走り降りていくところが、不自然な感じがするが、結構長く見せている。アップになったライオンも、何か下手で面白い。
■歩くロボットの足だけ見えるところがかっこいい。
■警察のあごのところのしわの線がいい。
中島らもに似たアコーディオン弾きが出てくる。
■王は麻原似。

とりみき『ダイホンヤ』や、吾妻ひでおのタイトルを忘れたが内部が都市のようになっているアパートに迷い込んだ宅配員が・・・という連作や、諸星大二郎の世界が塔になっていて・・・という作品をあわせて読むと面白いかも知れません。

奇想のようなギャグのようなものを積み重ねてつくられた長編で「勢いはあるが全体に雑駁」ではなく「やや理に落ちるところもあるが、まとまりがあって軽い」のが、『王と鳥』の仕上がり具合だ、というようなことを考えました。